コンサルへの華麗な転職に失敗した製薬企業勤務の元臨床医の話。初動のエージェント選びは重要

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私は製薬企業に勤めてからコンサルの存在を知り、チャンスを逃してしまいました。

そのあたりの体験談を共有します。

日常臨床の効率性に不満がある医師の方や、企業に属しているものの、製品ベースではなく社会にインパクトを与えたいと思う方に読んでいただきたいと思います。

背景

もともと社会的にインパクトを与えて、医療を効率化したいという希望があり、臨床医を私はやめました。

やりたかったことはまさにDXだったのですが、その当時はDX的な言葉も流行っていなくて、リクルーターも周囲の医師も私が言っていることについて理解してもらえませんでした。

製薬に特化していたリクルーターだったからだと今では思っています。

幅広い選択肢をもっているリクルーターに出会うのが重要ですね。

特に人脈もなかった私は、製薬企業は過渡期でこれから色々変わるぞ、という言葉で製薬企業への就職を決めました。

実際に製薬企業に勤めて1年、自分のやっていることが本当にやりたかったことなのかどうか疑問に感じる時期が続きました。

私の属しているメディカルアフェアーズについて詳しく知りたい方は『製薬企業の謎、メディカルアフェアーズでの仕事』をご参照ください。

今でこそ、製薬企業でDXはバズワードなんですが、当時は製薬企業の中でもDXは流行っていませんでした。

特にやりたかったのはPatient support program (PSP) というものなのですが、そういうものに至ってはありえないと否定されていました。

臨床医の仕事が嫌でやめたわけではなく、効率的に医療を行いたいということで臨床をやめ、給与もむしろ下がったので、仕事内容こそが私にとってのモチベーションのはずでした。

そこが期待通りではなかったため、フラストレーションが溜まっていました。

製薬企業にくる医師の50%が1年以内に製薬企業をやめると言われています。

多くの医師が同じような経験をするのかもしれません。

転機

私は日頃から転職エージェントと話をしています。

20社以上、40人以上のエージェントと話をしてきました。

製薬業界も色々と変わっています。

また、DXに携わりたかったので、アマゾンとかアップルとかそういう就職口を探したかったからです。

当時の私の見識はその程度でした。

偶然、転職エージェントからオンライン診療の医師の求人について話を聞きました。

その打診は、医師として遠隔診療をする仕事の案件でした。

当時としてはかなり珍しかったと思います。

自分の強みは診療だけでなく、製品に対してのデータ創出の経験値だと考えていました。

製薬企業では、製品のためのデータ創出を担当していたので。

最初は遠隔診療を経験するにしても、遠隔診療の有用性や必要性を示すようなデータ創出も並行して検討できるようなスキームも作りたいと相談しました。

製薬企業での治験以外のデータ創出について興味がある方は『製薬企業、メディカルアフェアーズで行うデータ創出の種類、RCTからReal world evidenceまで』をご参照ください。

そんな話を転職エージェントとしていたところ、コンサルを選択肢の一つとして勧められました。

同時期に、他のエージェントと似たような会話をしていたところ、そこでもコンサルの選択肢を提示されました。

そう、次世代の医療をつくるという考えは、コンサルの中では話題の一つであり、需要もあったようです。

人生でコンサルという選択肢を全く考えたことがなかった私は コンサルについて調べれば調べるほどやりたいという気持ちが強くなりました。

社会にインパクトを与えるようなことをやりたかったのです。

しかしながら、諸事情で転職活動を続けることができず、様子を見て後日検討することとしました。

再トライと失敗

半年ほど経過して、問題も片付いて、転職活動を再開しました。

残念ながら、その転職活動はうまくいきませんでした。

若手の医師がコンサルを思考しだしたのが原因でした。

中年に足を踏み入れた私への需要も減っていたのでしょう。

また、準備不足だったこともあります。

しかしながら、初動で製薬に特化したエージェントに頼ったのが間違えでした。

幅広い情報が得られるエージェントに頼ることをおすすめします。

その時はJACエンワールドCAREERCARVERにお世話になりました。

今後の方向性

現在、製薬企業でそれなりに満足して働いていますが、いつでも違う方向性も含めて動ける準備はしています。

私がしらないような業界のトレンドを知るためにも転職エージェントの連絡は欠かせません。

戦略系コンサル以外にも、データ系のコンサルなどの選択肢やデバイスメーカーも選択肢です。

ベンチャーもありだと思っています。

今現在は、それなりに満足して働いているので動く予定はありませんが、いつでも準備するのが重要だと思っています。

ずぼら@元医師

ずぼら@元医師

製薬企業勤務、元医師

40代前半、2児の父。臨床医10年後に外資系製薬企業に就職。メディカルアフェアーズ所属。臨床医時代は臨床病院メイン。
メディカルアフェアーズメインの製薬企業情報、英語について情報発信。
今後、医療のDXが進むといいなぁ。
好きな言葉:効率がいい。楽。
課題:英語 (VERSANT 55点)

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6 件のコメント

  1. 初めまして、いつも先生のブログを楽しく読ませていただいております。
    私は一度製薬会社のデータサイエンス部に勤務し、その後医学部編入→医師となったものです。
    最近また製薬会社で臨床の知識を活かし、元々の専門であるデータ解析に関連した仕事をしたいと考えるようになりました。
    そこで先生に質問なのですが、製薬会社として医師を採用する際、医師に求めるのは臨床経験(年数)でしょうか?もしくは臨床経験や専門とする診療科よりも、データ解析の技術・知識・経験、論文執筆経験を重要視しているのでしょうか?
    ご多忙の中突然の質問で申し訳ないのですが、お手隙の時にご回答いただければ幸いです。
    どうぞよろしくお願いします。

    • ご質問ありがとうございます、Yuki-san先生。。ユニークなご経歴なんですね。

      メディカルアフェアーズという視点でご質問に対してお答えいたします。
      結論から言うと、経験年数は最低限必用、アカデミア経験は大きい加点、といった感じです。
      1. 経験年数
      大体5年程度と言われています。医師が責任をもって治療を選択できるぐらいという意味です。
      医師が処方するにあたっての障害を同定することにプレミアがあるからです。
      2. アカデミア経験
      大きな加点ポイントです。
      データ創出に対しての期待が大きくなっており、アカデミアの経験値は大きく評価されます。

      したがって、処方について独立して考える程度の臨床経験があれば、それ以上はアカデミア経験の方が重視されると考えています。
      ご不明点などあれば、またご連絡ください。

      • お忙しい中、迅速にご回答いただきありがとうございました。
        もう少し詳しくお聞きしたいのですが、お手隙の時にご回答いただければ幸いです。
        1. 先生がおっしゃられている「アカデミアでの経験値」というのは、具体的には論文の本数でしょうか。または大学やがんセンターでの勤務経験でしょうか。
        また論文に関しても基礎医学系の論文よりは臨床系の論文の方が重視され、特にデータ解析に重点を置いた研究が好まれるものでしょうか。

        2.専門とする診療科と採用後のプロジェクトは一致するものなのでしょうか。例えば精神科を専門とする医師が入社後にがんのプロジェクトにアサインされたり、循環器内科医の先生が認知症や精神科領域といった畑違いのプロジェクトにアサインされることは一般的なことなのか知りたく思います。
        私が製薬企業に勤務していた時は希望は聞かれることはありましたが、実際に希望のプロジェクトに当たることは稀でした。そのため、医師の場合は希望が通りやすいものなのかをお聞きしたく思っております。

        ご多忙の中大変恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。
        よろしくお願いします。

        • yuki-san先生、ご質問ありがとうございます。私見ですが以下のように考えています。
          1. アカデミアでの経験値
          論文というつもりで記載いたしました。『疑問を見出し、解決し、学術的にまとめる力』が重要だと思っています。
          業務内容としては基礎でも十分評価されます。『疑問を見出し、解決し、学術的にまとめる力』を見ている面が大きいからです。
          もしも、臨床系のアカデミア業績があり、データ解析に詳しい場合には大きなアドバンテージになります。

          2. 専門領域について
          専門性については上司の考え次第です。専門性を大事にする方もいれば、幅広くやれることを大事にする方もいます。
          ヘッドハンティングを利用する時は、ポジションが指定されている場合が多いので、先生が専門性を大事にされるのであればその段階でご判断されると良いと思います。
          臨床の専門性とマッチしたポジションの場合は、フィックスするのは簡単なのがメリットです。
          一方で、パイプラインがなくなったときに、気持ちの上で他の領域へ行くハードルが上がったりします。
          また、メディカルヘッドや開発ヘッドなどのポジションを狙いづらくなるかもしれません。
          私自身は専門性とかけ離れた領域でやっていますが、あまり困った経験はありません。

          ご不明点などあればまたご連絡ください。

          • 丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。
            進路を決める上で非常に参考になるご意見でした。
            特に専門領域と入社後のプロジェクトはそれほど関係ないということをお聞きできてよかったです。
            求人サイトを見ると「呼吸器専門、代謝内分泌募集」などと書いてある所が多かったので、そちらの専門でないと採用していただけないのかと思っておりました。

            製薬企業に進まれる医師の方が周囲にはいないので、もしよろしければお手隙の時に先生にまたご質問させていただければと思います。
            今後ともどうぞよろしくお願いします。

          • お役に立てたのなら幸いです。
            専門科については会社や上司の意向次第なので、転職エージェントとかに相談してもらってもいいと思います。
            企業、求職者がWin Winの関係にするのが転職エージェントの仕事なので。
            色々な部署をローテートするキャリア育成プランを用意している企業もあったり、一般に出回っていない求人もあります。
            yuki-san先生の意向に沿った求人が見つかるといいですね。

            またお困りの際は、お気軽にご連絡ください。

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